2024年5月31日金曜日

Day203 台本なのか?

 すでにご存知のことかと思うが、国会での議員と内閣のやりとりである答弁は役人が書いている。

一言一句読み上げる大臣も居れば、要旨を的確に吸い上げて簡便な自分の言葉で語る大臣もいる。多くは後者。だが、質問内容は多岐に渡るので、役人のサポートは必須である。

一方で、国会運営を円滑にするために質問する側の質問も役人によってブラッシュアップされる。これを問取というが、質問者自身も分からなかった部分がハッキリすることがある。見事なものである。

かくの如く、質疑応答が整う。

こうなると随分と良いように曲げられるのではないかと思えてしまうのだが、元の質疑内容は相当残っている。結論が分かっているのだから、最初から削って本題だけで進ませれば良いようなものだが、最初の質問で回答を引き出しておいて、ツッコミを入れる部分などはしっかり残っているのである。

当日は、その質疑の通りに進む。ツッコミどころも再現されるのだ。

あれは台本か!?とこちらがツッコみたくなる。

ハレの舞台を裏方で回したいなら公務員になってみるのは良い選択である。



2024年5月30日木曜日

Day202 山積みの書類

 書類がうず高く積まれている机がある。情報量の余の多さに処理しきれず積まれているのだが、あえて積み上げることで仕事が溜まっていますよアピールだったり、書類の影に隠れて弾を避けたり、攻撃に備えたりしている。公務員あるあるである。

実は、それ以上に共用スペースには書籍、冊子が積まれていることが多い。

これはおそらく、仕事をしましたよアピールだったり、書類の影に隠れて玉を避けたりしているのだろう。公務員あるあるである。

狭い執務室がますます狭くなる状況になっても、前例踏襲で変わらないのは、ちょっとばかり問題である。しかし、過去の書類の整理というのは、捨てて良いかを判断しなければならないので、実は処理する人の力量と度胸が試される難しい作業である。

はてさて、執務室が広くなる日は来るだろうか・・・?



2024年5月27日月曜日

Day201 付属図書館

 省庁には付属の図書館がある。

仕事の範囲がそれぞれ違っていることが多いので、各省庁ごとに使う資料が異なる。つまり、この省庁で必要な資料は、他の省庁では要らないことが多いのだ。したがって、非効率なようだが自前で図書館を持つことになる。

さらに国会図書館が背後に控えているため、ここから資料を借り受けることもできる。過去の資料を調べようと思えば、かなり潤沢な環境があるのだ。

さて、とうとう200日を過ぎた。不思議なもので慣れ始めている自分がいる。振り返って初心を忘れなようにしたいものである。




2024年5月25日土曜日

Day200 平和な日は早く帰る

 中央省庁は明かりが消えることのない不夜城というイメージがついていると思うが、実際その通りである一方で、実際は代わる代わる人がいるので不夜城になっているのである。一人の人が居続けるわけではない。

なので、平和な日というのはあって、その日は早く帰るのが良い。そんな日に仕事を入れてしまうと仕事中毒であるから気をつけなくてはいけない。

早く帰ったら趣味の時間や家族の時間を楽しむのが良い。よく遊びよく働くというのは、ここ官庁でも鉄則である。仕事のし過ぎは人生の幅を狭めてしまう。充実した人生を送ろうとする部下に対して、働き続ける強要をする上司はいない。その点では全くブラックではないのだ。



2024年5月24日金曜日

Day199 ・・・という頭の整理

 仕事をする上で、頭の整理をするのは当然のことであるが、ここでは「という頭の整理をする」という言葉が多用される傾向にある。

現象を説明するためのストーリーはいくつもあって、その中の一つで組み立てた時のあらすじを指して、「という頭の整理をする」と言っているのである。

まさに頭の整理であり、聞いた人は、それが共通の認識となる使い勝手の良い言葉である。これと同じようなスラングが見受けられるのだが、それはまた別の機会に。



2024年5月23日木曜日

Day198 日本語は難しい

 日本語は難しい。

宮使えをするようになって改めて実感した。

何せ、言葉尻ひとつで意味が変わってしまう可能性を排除しなければいけないので、正しい日本語を書く必要がある。

華美な修飾語や主語と述語の対応があやふやなどがあると、即時に見抜かれるのである。

英語でしかみなかったSV,SVOCなどの文法構成の話が普通に出てくるのだ。

曖昧に育ってくると、ここでたんまりと鍛えられることになる・・・



2024年5月20日月曜日

Day197 エスカレーター式

 職場の最寄駅は地下鉄である。

結構な深さにホームがあるので階段、エスカレーター、エレベーターがある。

あまりに深いので階段を使う人は極端に少ないので階段がえらく狭い。すれ違うのに気を遣うくらいの幅しかない。エレベーターは一機しかないのでほとんど来ない。そんなこともあり、基本はエスカレーター一択である。

そのエスカレーターだが、乗っている間の人の仕草を見ているとボーッと乗っている人、スマホから片時も目を離さない人、駆け上がる人など様々である。

私の場合は、最初のエスカレーターは駆け上がり、次は敢えてボーッとする。そして最後のエスカレーターに乗っている間にイヤホンの片付け、IDカードの準備、雨が降っている時は傘の準備がルーティンである。

乗っている時間に次の準備ができる。エスカレーター式も使い方である。



2024年5月19日日曜日

Day196 様々なバックボーン

 面白いなと思った特徴の一つに勤めている人たちの仕事以外の活動がある。

あまり聞かないような趣味を持っている人が多い傾向がある。社交ダンスやラクロス、全国日本酒飲み歩き、クラシックバレエなどバラエティに富んでいる感じだ。総じて仕事外の活動が活発な人が多い。

好奇心が旺盛で、人として幅を持っている。そういった人が集まる傾向にあるのだと思う。

イノベーションとは異質なもの同士が掛け合わさることで生まれることが知られている。この環境は自然のイノベーション醸成施設になっていておかしく無い。

企業からの出向を募り、新結合を得て戻すという使い方は十分に面白いと思うので、官庁はアピールして良いと思う。今も昔も、人材こそが官庁の最大の強みである。これを活かさ無いのは勿体無い。



2024年5月18日土曜日

Day195 ダイナミズム

 出向元では事業開発をおこなっていたので、顧客に使ってもらって幸せになる姿を思い浮かベることができる。具体的な仕事だ。

一方で、国民という顔があるようで全く見えない平均的な人物像が、今の顧客。

端的に言ってしまえば、マクロ経済とミクロ経済の両極端。ミクロにしても事業開発なのでベンチャーみたいなものでマクロ経済から一番遠い場所。

顧客の笑顔が見られないが、国レベルの大きなうねりに関与できるダイナミズムを持っている。ここに価値を見出す人には最高の職場である。



2024年5月17日金曜日

Day194 随行

 随行なる業務がある。

秘書官クラスだと大変なようだが、民間出向者に任せられる随行は高が知れている。エライ人の横について万一の事態に備えた連絡係だったり、会場設営をしたり、議事録を取ってみたり、という業務。いわゆる鞄持ちである。

先々月は、自民党本部に行ったが、今月は国会議事堂になった。

小学校の社会科見学で行く国会議事堂だが、それは東京近郊の小学生の特権。地方に住んでいたので初国会議事堂である。

随行の仕事自体は、わずかな時間で無事に終了したので、残った時間で自主的に社会科見学を実施。通行証をぶら下げているので、大体のところは行ける。

見た感想。建物は厳かだが要はオフィスである。赤絨毯や採光用のステンドグラスなどは実に素晴らしい。一方で慣れてしまうと何も感じずに出入りするのだろうな、と思った次第。

とはいえ、仕事上で出入りできるというのは、宮支えならではのこと。



2024年5月16日木曜日

Day193 伏魔殿

 出向元の会社はそれなりに大きな企業なので、一時期に複数名が出向している。同じ省庁の別の部署に行くこともある。

同僚の出向先は別のフロアーの部署。

政策や補助金を決めていく部署のようなので、様々な人の協力が必要なのだそう。そうなると他の省庁は元より、大学関係者も多数居るようである。しかも役を持っている人が集まるようだ。

で、彼に与えられた仕事は、着任すぐということもあるのだろうが、関係各所へのメール作成、印刷した書類のステープル、整理。

はっきり言って無駄。ロボットやパワーBIで組んでおけば良いだけだし、書類のステープルはプリントアウト時にコピー機で設定しておけば良い。

プロパー所員が4分の1程度ということも関係してか、部署の作業を改善するという雰囲気は見られない。仕事は個々人に囲い込まれて、隣の人すら何をやっているのか分からないそうである。

前任者は戻ってきた際に、刑期2年のお務めを全うして帰還しました、と宣う始末だが、致し方なさそう。聞くにその組織は、全く人の使い方もなっていないし、そもそも仕事への姿勢がなっていない。

察するに、利権に群がる方々が多い部署ということ。同じ庁舎内でこれほど違うとは驚きである。しかし、前向きに捉えれば宮仕えはバラエティに富んでいると言えるのだ。





2024年5月13日月曜日

Day192 ペルソナ

 出向元では事業開発をおこなっていたので、事業を提供するユーザーのセグメント、ターゲット、ポジションといったことを考えて仕事をするのが普通であった。

官庁に来たことで驚いたのがペルソナ。そのような設定をして、仕事をしている人を見たことがないのだが、もしかすると国民全体の奉仕者という文言がペルソナを意味しているのかもしれない。いずれにせよ国民というあまりに平均すぎて、掴みどころが無いペルソナなのだ。

一方で、見方を変えると、漠然としたペルソナに対処する面白い課題をもらったとも見える。

官庁は至る所で課題がたくさん眠っている場所なのだ。これも見方を変えたら、お宝が眠っている場所と言えるのだ。



2024年5月12日日曜日

Day191 休憩の取り方

 仕事がひっきりなしに来る場合、休憩の取り方が重要である。

効率的に仕事をしようとして矢継ぎ早に仕事を入れると、実はパフォーマンスが下がってしまう。一区切りつけて目標の時間まで少し時間が空いたら、次の仕事を入れるのではなく、一息つくのがコツである。お茶を飲むのは特に良いリフレッシュになるので、市販のペットボトル飲料ではなく、茶葉から淹れることをお勧めする。

効率的な休憩を作って、バリバリ仕事をしよう。



2024年5月11日土曜日

Day190 カチンとくる人たち

普通に接していても、立場が違うところからの問い合わせというだけで、カチンとくる人たちは居るようである。

出向元では、仕事上あちこちに依頼することが多かった。社内、社外を問わないし、立場も売り込む側や発注する側など様々である。なので、一定レベルの礼節は弁えている。

しかし、今回のように立場が変わったことで、同じようにお願い、あるいは問い合わせを行なってみると、対応が随分と違うのだ。

問い合わせは、ウェブ、電話、メールなど、公表している方法を通じて行い、回答をもらう。

回答への対応が随分と違う。ある組織は、妙に丁寧に返答してくれる。別の組織は、検討中という回答のみで実質スルー。そして、ある組織は割としっかりした回答をもらったのだが、クレームのおまけがついてきた。こちらは忙しいのに、なぜあなた達の問い合わせに答えなければいけないのか!と。問い合わせページからの回答は仕事の一部だと思うのだが・・・。

これまでの経験から、変動している部分は、立場の違い。

国の機関からの問い合わせともなると、ここまで態度がバラつくものなのかと驚いてしまった。かつて、苦い経験をしたのかもしれないが、理解が足りないことからくる誤解のような気がする。

その後、もらった情報は、お礼と共にどこでどのように活用したという報告をあげておいた。あまり、そのようなことをやる人は居ないようで、その後にクレーム付きのメールが来ることは無くなっている。理解をしてもらう努力は官庁側に必要なのかもしれない。



2024年5月10日金曜日

Day189 エラそうが、無い

 この部署特有のようだが、上司に当たる人にエラそうな態度が無い。


仕事柄、参事官、審議官や統括官などへの報告をするのだが、非常にフランクである。

聞けば、民間出向者の場合、他の省庁では会った事すらないのが普通とのこと。雲の上の人という感じのようだ。

それに対してこの部署は非常にフランクである。統括官は執務室から出て、参事官以下が詰めている居室にちょくちょく来る。どこに誰がいるのかを把握しているのだ。担当へ直接聞きにくることも多く、これまでも直接宿題が出されることもしばしばあった。ただ、視点が高い宿題が多いので、解決するための難易度が高くちょっと身構えてしまうというのは、ここだけの話。


さて、レクという名の報告がある。

あくまで上司への報告なのだが、担当こそが情報を最も把握しているので、レクチャーしてもらうので、略してレクという。

ただ、名は体を表すという通り、担当がレクチャーするのだ。これは合理的であると同時に驚きである。役職が上がって立場が変わっても、常に勉強をして、若い人から教えを乞うのだ。

このような人に尊敬が集まるのは自然な流れであろう。

本当にデキる人には、エラそうが無いのだ。



2024年5月9日木曜日

Day188 OBネットワーク

 一般の企業の場合、在職している人やその家族に関して訃報のお知らせはある。概ねは社員なら誰でもみられる掲示板に掲載があるものの、知り合いからメールが来て気が付くということが多い。

したがってメールで訃報を受けるというのは、もらったら行動が伴う可能性が高いもの、という位置付けになる。

前社長や役員の訃報というのには出会したことがない。貰うような立場に居ないということも差っ引いたとしても、メールで入ってくるほどではない。

官庁ではどうか。

なんと、OGの訃報が入ってくるのだ。しかも、御歳90超の方の訃報である。

自分の父よりも年上、何なら祖父よりも年上となりそうな、全く仕事上の関わりのない人の訃報をメールで受けるという衝撃の体験をした。

周りのプロパー所員に聞くと、普通に良くあることらしい。焼香をあげに行くなどはなく、スルーのようである。それにしても勤め上げてから30年も経つのに、動向を把握しているし、訃報を回すという・・・。どちらに転ぶかはわからないが、ネットワークの強靭さを体験した。



Day376 使命感と共感に満ちた日本の未来へ

 私の宮仕への出向が終了を迎えた。 長いようで短い2年間であった。 この貴重な体験を振り返ると、民間では決して味わうことのできない数多くの気づきが得られた。最終的な上司が大臣であるという特異な環境で、自分の作成した資料が局長に渡り、大臣が総理大臣へ報告する資料の一部となっていった...