2025年5月31日土曜日

Day364 走り出したら早い

 宮支えの仕事は、始まるまでが長いと感じることがある。実際、外から眺めていた時の自分がそうだった。よく言われることとして、緻密な計画と調査、審議の過程を経て、プロジェクトがスタートするまでの時間がかかるとされている。その通りである。しかし、一度始まるとその速さには驚くべきものがあるのも確か。この特徴は、宮支えの仕事のなかで良い部分として挙げることができる。

宮支えをするものたちは、プロジェクトや政策を始める際には慎重な準備と詳細な計画を行なう。国民の利益を最大限に守りつつ、適切な方針や手続きを確立するためである。あとは、悪い方のツッコミが来ないようにすること、来た場合でも対処できるようにすること。これらの準備が整わないと走り出さないのである。確かに、このような始まりの過程は、信頼性と品質を保つために不可欠なステップではある。

そして、プロジェクトが一度スタートすると、宮支えのものたちは驚くほどのスピードで行動する。情報の収集や意見の収集、対話の促進などが迅速に行われ、方針や政策が具体化されていく。思い返して欲しい。彼らは受験戦争の勝者である。多いときで大学受験者は50万人いたが、作業を効率化できる人の中でもほんの一握りのトップ層の人間がここに居るのである。早いわけである。これは、公共のニーズや変化する状況に対して素早く対応できるという結果を生む。そのスピード感と短期間での成果は、宮支えの仕事の魅力の一つといえるのだが。

一方で、宮支えするものの弱点とも言えるのが、停止や方向転換が苦手なこと。一度プロジェクトが進行してしまうと、新たな情報や変化に適応するのが難しい。実現可能な計画が立てられ(その時点では)、実現できないとなると遂行者の力不足というレッテルが貼られることとなる。そうなると宮支えの人生は終了なので、何がなんでも行うのである。宮支えする人も同じ使われる側の人間である。ただ、計画時点で撤退ポイントや計画を見直すポイントを作るなど、計画に柔軟性や臨機応変さを予め持つ必要があるかもしれない。

これからの宮支えの仕事においては、始まるまでの準備とスピーディな行動をさらに統合することが求められるだろう。これまでと同じやり方で、一つ一つを早くしても大きな成果は得られないだろう。もちろん、早い段階で情報収集や意見交換を行い、プロジェクトをスタートさせる際には、柔軟性を持って状況の変化に対応することが重要ではあるし、途中で方向転換が必要な場合にも、迅速に判断し行動する力を養うことが、仕事の質を向上させるポイントとなることは変わらない。しかし、計画は変えるものであるという意識を持って立てないと変わらない。

宮支えの仕事は、始まるまでの時間がかかる反面、一度始まればそのスピードと効率は驚くべきものだ。これからの時代においては、素早い対応と柔軟な適応力がますます重要となることから、この双方の要素をバランスよく組み合わせて、より質の高い公共サービスを提供していくことが求められる。今のうちに柔軟性のある計画を立てたり遂行する準備を整えておきたいものである。

2025年5月29日木曜日

Day363 ロングなLANケーブル

宮支えでの働く環境における制約は、確かにセキュリティの観点から重要だが、その一方で現実のニーズや技術の進化にも柔軟に対応する必要がある。特に、民間等のオンライン会議を行う際に問題となるネットワークにおいて顕著である。あまり民間が使っていないソフトでの会議しかできない。ソフトの問題がクリアできたとして、政府回線の無線LANでオンライン会議ができない。有線だとできることが分かっているので、局長の部屋まで長〜いLANケーブルが敷かれることがある。民間出向者からすると、最初から敷いとけよと思ってしまう。もう、後手に回っている感じが否めない。進化する世の中の流れに対して、数歩遅れている。

国民の個人情報や重要なデータを守るという使命があるし、実際他国からのハッキング対象となっているので、脆弱性は御法度である。この使命を果たすためには、セキュリティと利便性のバランスを取りながら、最適な環境を構築することが求められるのである。

宮支えでの働く環境が制約を伴うことは事実だが、その中で新たなアイデアや技術を導入する努力が、より良い未来を築く鍵となると信じたい。適切なバランスを保ちつつ、セキュリティを守りながらも、時代に適した効率的な環境を整え、全ての国民にとって価値ある公共サービスを提供するための課題出しを、ロングなLANケーブルを使う自らが経験することでやっているのかもしれない。



2025年5月26日月曜日

Day362 ディスクトップに保存?

 宮支えの仕事は、多様な分野でのローテーションが頻繁に行われる特徴がある。この独特の環境下で、初心者からスタートし、わからないことだらけの状態から成長を遂げる姿勢が求められる。個人としては、新たな分野や業務に挑戦する中で、限られた期間内に大きな成長を遂げる必要がある。

ある日、IT部門での出来事が、この成長のプロセスを象徴しているように思われる。アップデート作業の指示の中に「ディスクトップに保存する」という単語が出ていたのである。恐らくデスクトップと言いたかったのであろう。ディスクトップだと、ドライブのトップの層か物理ドライブの上で作業せよということか(笑)のどちらかだろう。スマホで卒論を作成する世代とはいえ、PCの操作や単語は基本レベルを持っておこうよ・・・と、少々嘆いたものの、2年と経たず、同じ人物が業者に対してネットワーク仕様を発注するレベルに成長していた。これはまさに、宮支えの仕事がどれだけ迅速に変化し、成熟するかを示す素晴らしい例ではなかろうか。

宮支えとして、私たちは異なる業務領域に挑戦することで、広範な知識とスキルを獲得していく。初めは戸惑いや混乱があるが、経験を積むことで次第に理解が深まり、専門的な知識を身につけていくことができる。その過程での成長は、自信を養い、新たなチャレンジにも果敢に取り組む姿勢を醸成する。

宮支えの仕事は、限られた期間内に大きく成長する能力を求めている。異なる分野や業務を経験することで、柔軟性や適応力が養われ、問題解決力や判断力が高まる。地頭力は良くないと熟せない部分があるのは確かだ。初心者からスタートしても、努力と熱意を持って取り組むことで、短期間で専門的なスキルを習得し、組織に貢献できる存在となることができる。

とはいえ、宮支えの仕事は、常に新たな挑戦と成長の機会が広がっている。異なる分野に足を踏み入れ、知識とスキルを着実に積み重ねることで、初心者からスタートしても、短期間で頼りにされる存在になることができるのだ。限られた期間内での大きな成長を遂げる宮支えの姿勢が、宮支え経験者が民間からも尊敬を得る理由の一つであろう。

2025年5月24日土曜日

Day361 景気の変換点に立ち会うという魅力

 経済の予測という仕事は、まさに未来への探求の旅とも言える。宮仕えの場でエコノミストとして、日々経済指標やデータを分析し、将来の動向を予測する役割を果たしたが、その予測が現実と合致する瞬間に立ち会うことがある度に、奇妙な感覚に包まれる。

予測は常に不確かなものであり、データの解釈や要因の変動によって結果が大きく変わることも少なくない。だからこそ、慎重に分析し、仮説を立てることで先行きを描き出していく。しかし、その過程で何度も違う結論を導くこともあるため、予測と現実が一致したときには、まさに驚きと喜びが入り混じった感情に包まれる。

ある日のこと、ある景気の転換点について予測を行った。データや分析の結果をもとに、その予測を提言したが、当初の予測が時を経て実現するまで、その過程では様々な出来事や要因が絡み合い、予測が揺らぐことはしょっちゅうある。

そして、ある日、その予測が現実として訪れた瞬間があった。驚きと同時に、自分の予測が的中したことに対する確かな達成感が湧いてきた。この体験は、予測の難しさや不確実性と向き合いながらも、その成果を享受する瞬間の尊さを感じさせてくれるものである。

経済の予測という仕事は、常に挑戦的である。立場上、その結果は新聞やテレビなど報道で取り上げられることが多いので、実際に世界に影響を与えることも少なくない。とはいえ、予測が的中したときの喜びや、違った結果と向き合うときの学びが、私にとってとても良い刺激となった。不確実性と向き合いながらも、未来を見つめ、予測する旅の過程で得る洞察と実感が、仕事の魅力となっている。

2025年5月23日金曜日

Day360 仕事の目的と価値

 宮支えの仕事は、外から見れば一定の枠組みにとどまっているように見えるが、実際には絶え間なく高度化が、あるいは進化の過程を辿っているのだ。ただし、この進化の過程において、成果とのバランスがどのように影響しているのかについては、検証してみる必要がある。

新しい仕事やプロジェクトは、新たなアイディアや技術の導入などが求められ、その結果得られる成果が大きくなることが期待される。新たな領域への挑戦や未知の分野への進出は、社会に新しい価値をもたらす可能性を秘めているからである。こうした新規性の高い仕事においては、成果の大きさが仕事の進化に比例することが多いだろう。

一方で、既存の仕事や業務の進化においては、得られる成果が少しずつ小さくなっていくことが良くある。既存の業務に改善を加えることや効率化を図ることは重要であるが、その努力が得られる成果にどれだけの影響をもたらすかは慎重に考えるべきだ。製造業のカイゼン活動では、カイゼンそのものが目的化された時にアヤシイ動きになることが多い。進化の過程において、成果の減少が進行することなく、最適なバランスを保つことが求められる。

これからは、得られる成果を加味した仕事の取捨選択が重要である。特に人的リソースは無制限に使えると思っている宮支えの場でこそ、コスト感覚を身につけて、成果とのバランスを考慮し、限られたリソースを最適に活用するべきである。

2025年5月22日木曜日

Day359 週明けの仕事

金曜日の午後、週の終わりに迫る心地よさを感じながら、机に向かって座っていた。しかし、その心地よさも束の間、上司からの声が聞こえてきた。「この案件をまとめて提出してください。ショートで申し訳ないが、締め切りは月曜日」とのこと。今日はタクシー決定である。明日も多少当てなくてはいけないだろう。宮支えをする者にとって、このような状況は決して珍しいものではない。

週明けの月曜日には、職場は忙しさに包まれるだろう。急な締め切りを迎えるため、上司も同僚たちも休日明けからフルスロットルで働き始める。いや、上司に至っては休みを取っていないに違いない。顔を見合わせることもなく、机に向かい、パソコンの前でのひた走る時間が続く。

週末に家族と過ごす予定を立てていた人も、突然の締め切りによって計画が水の泡に帰してしまうこともある。子供たちからの期待を胸に机に向かいながらも、心のどこかで「働き方改革ってなんだろう?」という思いが渦巻いているに違いない。彼女とのデートもどうなることやら。せめてデート中に電話が来るのだけは避けたいものである。

宮支えとしての仕事は、確かに安定感や社会的な信頼をもたらす。しかし、その一方で緊張感を持ち続けなければならない状況も存在する。特に、金曜日の午後に迫る締め切りは、週末の余裕を奪い、心の休息を乱す。締め切りを守るためには、週末の時間を捧げなければならないことは、宮支えをするものとしての現実なのだ。

金曜日の午後、エコに配慮した薄暗く蒸し暑い居室の中で、締め切りの重みを感じる。周りの喧騒とは裏腹に、一人一人が真剣に仕事に向き合っている。そして、月曜日の朝を迎えることになる。この宮支えの辛さを嘆く瞬間にこそ、職務への責任感とプライドが宿っているのかもしれない。

2025年5月19日月曜日

Day358 続・圧力への抵抗

 宮支えの職員は、一部の人たちに利益があり、国民全体の利益にならないことに対しての圧力に抵抗しているという話をしたのだが、中の葛藤は結構している。

同じような環境で育まれたので似た考えになっているものの、組織には様々な人が居るので、人の考えはそれぞれ。

なので、一つの意見が挙げられた時に出てくる反応は様々となっている。結構幅広いところから選んでくる。個々人がその道のプロ。しかも、プロが複数人集まって横の視点、縦の視点、時間的な視点で検討するので、個人の考察範囲は余裕で超える。三人よれば文殊の知恵とはよくいったものである。その中で、根拠がはっきり示せる項目、出した時に反論が少なくなる項目、反論があっても根拠が示せる項目といった視点から選んでいく。このプロセスを踏むので、無謬性というものが出てきてしまうのだが、これはまた別の話。

このようにして、人心掌握のプロである議員が変な圧力をかけてきた場合は対抗していくのである。

2025年5月18日日曜日

Day357 圧力への抵抗

 宮支えの職員たちは、様々な圧力をかけられる。

最たるところは、議員。直接かかることはないのだが、間接的に掛かる。

これが悪いことかと言えばそうでもなく、時の政権保持者の意向を少しづつでも様々な意見と立場を取り入れた方向へと導くことがある。なお、様々な意見が反映されることは良いことであるという考えのもとでのこと。

そうではない場合もあって、こっちが面倒。

妙に極端で見当違いな意見をゴリ押ししてくる方がいる。これまでの対応を見ると、ほとんどの方は紳士的で常識人、あるいは高潔な人が多いのであるから、ゴリ押ししてくる方はごく稀の一部だと思う。ただ、そういった人は、ゴリ押しに慣れているので、一人の意見を多数の意見のように見せかけられる。こういって仕舞えばスキルの一種であるが、受けた方はたまったものではない。

そんな中でも宮支えの職員は、国民全体の利益を以て公平とするという軸をブラさずに業務を行う。普段見えないものの、そこには圧力に抵抗するだけの信念があるようなのだ。

2025年5月17日土曜日

Day356 省エネ

 宮支えの場では、結構フルで動いているので熱気が篭る。しかし、環境は至って省エネである。

今日は、特にひどい。

近年、この時期でも暑い日々が出ているのだが、全館空調だと効きが悪く、団扇や扇風機が手放せなくなっている。仕事以外のストレスを持たせるのは、これこそが無駄遣いである。省エネも良いのだが、作業場は快適に。どうせ考えるなら、足りないエネルギーを作り出す方法に知恵を絞りたいものである。

2025年5月16日金曜日

Day355 ゲキリン

 いわゆる地雷を踏むというやつである。

誰の?と言えば、一般的な企業であれば上司。宮支えの場では、大臣だったりする。まさに、逆鱗に触れるという状態である。

支えている職員であるが、彼らは試験制度で通ってきた人々。大臣は、選挙制度で通ってきた人々。実は、クリティカルポイントが違うのである。なので、得意の忖度を駆使しても、逆鱗に触れてしまうことがある。

今回も、そんなところに在るのか!こりゃ収まらなそう・・・と、逆鱗に触れたとしか言いようのない状態になった。もはや、天災レベルなので、被害を被った職員は気の毒であるが、通り過ぎるのを待つのみ。こういう現象が見られるのも、宮支えの場ならではのこと。何度もあると堪えるが、一度は体験してみることをお勧めする。

2025年5月11日日曜日

Day354 新しい仲間

 宮支えの場でも常に新しい人材を供給しなければならない。

知っているようで知らない仕事。知られているようで、知られていない仕事。それが宮支えの仕事である。

割と人材獲得にリソースを割いている。

基本は科挙のシステムなのだが、そこに日本独特のマッチングが入ってくる。2〜3年次の先輩が赤門のある学校などにOB・OG訪問したり、訪問の際に面談し適性を探る。基本は振り落とすシステムであるが。

こうして新しく仲間となって入ってくる新人には、次々と仕事が与えられ、鍛えられていく。仕事をこなしている間に日々が過ぎていくことになるのだが、相当頑張らないとこなせない質と量が与えられる。半年も過ぎた頃には、仕事にも慣れ始め、次の新しい仕事が与えられる。

それにしても、今回は新しい仲間として、大学の後輩に当たる子が入ってきたのは嬉しい限りであった。彼には、校歌の通り、国の礎を成すことを期待したい。

2025年5月9日金曜日

Day353 学校制度

 学校のシステムは宮支えの人材を探すのによく出来ている。

管制大学というと大袈裟に思えるが、このシステムはまだ生きている。能力的に優れた人物を呼び寄せる。いわゆるプロパー職員に選んだ理由を聞くと、何となく、という答えが結構な割合で返ってくる。もちろん根源的な部分には国民の役に立ちたい、国を動かせる大きな仕事がしたい、などの動機は当然あると思うが、第一声には何となくというものが多い。

これは結構すごいことである。このシステムで教育されると深層意識くらいまでに刷り込まれるということだろう。ここを選ばなかった人にしてみても、日本の教育システムで育ったとすれば、最終目標は宮仕えとなるべきといった感覚を持っているのではないかと思うのである。

かくいう私も宮支えをしてみて、その呪縛がやっと解けた。あるいは、お役目が御免になったという感覚がある。学校の制度とは、こうもよく出来ているのである。

Day376 使命感と共感に満ちた日本の未来へ

 私の宮仕への出向が終了を迎えた。 長いようで短い2年間であった。 この貴重な体験を振り返ると、民間では決して味わうことのできない数多くの気づきが得られた。最終的な上司が大臣であるという特異な環境で、自分の作成した資料が局長に渡り、大臣が総理大臣へ報告する資料の一部となっていった...