2025年2月14日金曜日

Day313 異世界からの生還

 まるで異世界転生ものとして語れる宮支えの出向であるが、大きく異なっている点がある。

出向期間が決まっているため、生還できるのである。異世界転生者の場合、帰り道が見つからなかったり、現地の事情に適応できずに生き延びることができないといった危険性がある一方、出向者は期間を終えると必ず戻ることができる。そして、その間に得たスキルや人脈は、戻った後のキャリアアップに大いに役立つ。

ただし、出向は異世界転生のようなファンタジー的な体験ではない。痛みもあれば、辛いこともある。期間中は現地のルールや文化に適応し、新しいチームやプロジェクトに参加するための努力が必要である。また、会社に戻ったとしても異なる組織や文化に再び適応する必要がある。それでも、出向を経験することは、キャリアアップのための貴重な経験であり、将来の成功につながる可能性を飛躍的に伸ばす機会である。

2025年2月13日木曜日

Day312 宮仕えで異世界転生

 異世界転生物という小説のジャンルがある。

主人公が死亡した後、異世界で再び生まれ変わり、前世の知識や経験を生かして活躍するという物語である。しかし、このような現象は小説だけの話に止まらない。実は、民間企業から宮仕えすることで、まるで異世界転生したかのような体験できるのである。

出向先の宮つかえの場は、民間企業とは全く異なる文化やルールが存在する。そのため、出向者はまるで異世界に飛び込んだような感覚を覚えることがある。しかし、出向者が出向元で培ったスキルや経験は、そのまま役立つことがある。例えば、民間企業でITの知識を身につけた出向者が、宮仕えの情報システムの面で活躍することができるというケースである。私の場合、日本でも有数のデジタルを活用している会社の一つであるから、最前線の研究者ならいうまでもないが、昔技術者、今企画というステータスでも結構なアドバンテージを保っていられたりする。

一方で、異世界転生物と同様に、宮仕えの場で生き残るためには、新しい環境に適応し、新しいスキルを身につける必要がある。異世界で魔法を使えるようになるように、出向者も新たな業務に対応するために、努力や研鑽を積む必要があるのだ。

逆に宮仕えでの経験が、元の民間企業での業務にも活かされることがある。出向者が宮仕えで培った知見を持ち帰り、民間企業の業務改善に役立てることができる場合もある。できれば、そうあって欲しい。

つまり、民間企業から宮仕えに出向くことは、まさに異世界転生物のような体験をすることになる可能性を秘めている。新しい環境に飛び込み、前職で培ったスキルや経験を生かし、新たなスキルを身につけることで、より多くの成果を生み出すことができる可能性があるのだ。

2025年2月9日日曜日

Day311 調査のインパクト

 今年もまた、この時期がやってきた。年次報告書の提出時期である。

閣議報告にあがり、国会では取り上げられ、日経新聞では特集を組み、NHK民放を問わずニュースではほぼ必ず触れる。

出す意義としていくつかある。

国内外の経済状況を評価し、国内経済の発展状況を把握できる。政策決定に必要な経済的な根拠を提供することができる。国内外の投資者に対して、信頼性の高い情報を提供することができる。国内外の経済状況を比較することができ、国際的な競争力を向上させるための課題を提示できる。国民に対して、経済的な知識を提供することで経済意識を向上させることができる。

続けることで、定点観察にもなり、中の職員のレベルを維持することにも繋がる。中の人としてはツラい状況を乗り越える必要はあるのだが。

インパクトのある仕事に携わることができるのは、宮支えの場ならではだ。これらの仕事に向けて、共に取り組む仲間がいて、お互いに影響し合いながら成功に向かっていくことができる環境も、宮支えの場ならではの体験。一度覗いてみることをお勧めする。


2025年2月8日土曜日

Day310 ブラック企業体質

 宮支えの場は、ブラック企業体質があると一般的には思われている。実際、長時間労働が発生しており、最終退出時間が30時で翌日の10時には職場に出ているということもある。家にはシャワーを浴びに帰っただけ、ということも聞き及ぶ。

長時間労働による弊害は知っての通り、ストレスや疲れ、不眠症などの健康上の問題を引き起こし、仕事とプライベートのバランスを崩したり、何より仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼす。

この宮支えの場では、長時間労働が発生しやすい環境が嫌というほど整っている。働き方に対するプレッシャーや負荷が高い職場や文化があるし、仕事の質や量が多いし、資源や人手不足があるし、時間外の労働が正当化されている文化があるからである。

しかし、本当の意味でブラックなのか?というと、実は疑問が残る。たとえば、労働者の権利も福利厚生の担保も十分整っているし、残業代については全額支給されるため不当はない。何より、 仕事の価値が高く、自分自身のスキルや能力が評価されること、仕事の目的やミッションが明確で及ぼす影響が大きいこと、 職場でのスキルアップやキャリアアップにより持続的な成長のチャンスがあるのだ。自らの能力のキャパシティを最大限に引き出した上でクリアしていく仕事が次々と来るのであれば、ブラックという指摘は少し外れているのかもしれない。


2025年2月6日木曜日

Day309 親しき仲にも礼儀あり

 宮支えの場はさまざまな思惑が交錯し合う複雑な構造を持つ場である。

政治家や官僚などの職務に対する負担や責任が大きいため、失敗や間違いをすると、国民や関係国などから批判され、政治的責任や経済的責任などが問われることがある。また、政策や決定に関連する情報なども公的なものであり、結果が悪化した際に隠蔽や操作などと思われようものなら、国民の不信感や国内外からの信用損失なども生じる。このような理由から、宮支えの場においては脇の甘さが命取りになることがあると言われている。

ただ、秘密にするという約束のもとで話されたことが暴露され、それがある人にとって不都合であった場合に更迭などの降格処分が下されたなら、確かに脇の甘さが命取りだったといえるが、暴露したほうの罪は問われないのだろうか?一方が責任を負うだけだとすると、脇の甘さのツケが双方の信頼関係を損ねる事態に発展する。ならば、親しき仲にも礼儀ありがしっくりくる。

2025年2月3日月曜日

Day308 攻めの情報システム部門

 企業の情報システム部門は、主にシステムのセキュリティや運用の保守を担当する守りの部門とされている。しかし、近年のテクノロジーの進化やビジネスの変革に伴い、情報システム部門は、新しいテクノロジーを活用して仕事の仕方を変え、ビジネスに貢献する攻めの部門になりつつある。

ここ宮支えの場においても、情報システム部門は新しいテクノロジーを採用することで仕事の仕方を改善し、効率性や生産性を高めることを目的とした攻めの部門へと変わりつつある。

一般的な理解としての情報システム部門は、攻撃やハッキングなどの悪意ある行為から国の情報やデータを保護するために、ネットワークやコンピュータのセキュリティを管理する守る業務であるが、テクノロジーの専門家としてのアドバイスを提供することも始まっているのだ。業務ニーズに応じRPAやAIなどを組み合わせてソリューションを提供している。これには、テクノロジーと業務課題を結びつけることが求められるため、高いスキルと共に縁の下の力持ちとして、人の喜びを自分のものとして喜べる心意気も要求される。たとえ陽が当たらなくとも、国の運営の効率化に向けて重要な役割を果たしているのだ。


Day376 使命感と共感に満ちた日本の未来へ

 私の宮仕への出向が終了を迎えた。 長いようで短い2年間であった。 この貴重な体験を振り返ると、民間では決して味わうことのできない数多くの気づきが得られた。最終的な上司が大臣であるという特異な環境で、自分の作成した資料が局長に渡り、大臣が総理大臣へ報告する資料の一部となっていった...